消臭装置がもつクリーンなイメージを製品案内パンフレットに込めて

「日機装株式会社」は、ポンプ・システムや航空機部品、透析装置などの分野で高いシェアを誇る工業メーカーです。そんな日機装は、深紫外線LED搭載製品を提供するヘルスケア事業の拡大を狙っています。なかでも、とくに勢いづいていたプロジェクトが空間除菌消臭装置の「Aeropure」です。2020年の発売直後に新型コロナウイルスの感染拡大が重なったこともあり、当初の予想を大きく上回る売り上げを記録しました。その流れを受けて、日機装は「Aeropure」シリーズの広報活動や販売活動などを本格化するべく動き出したのですが、当時は社内制作の簡易的なパンフレットしかなく、製品の魅力を伝える訴求力に欠けていました。そこで、まずは「AeropureS」のパンフレットを刷新することに。さらに続けて、新製品となる「AeropureM」「AeropureP」「AeropureD」のパンフレットを制作することになりました。思いがけない需要拡大だったため、広報スケジュールや製品の発売スケジュールを加味しながら、パンフレット制作も急ピッチで進められました。宣伝用素材のストックも充分ではなかったので、一部の製品の撮影も担当しています。

表紙のビジュアルは、短いコピーと製品の写真だけでシンプルにまとめています。ご担当者より「スタイリッシュな雰囲気を出したい」とのリクエストがあったため、要素を最低限まで絞りこみました。読者が導入後をイメージしやすいように、利用されるシチュエーションに沿って製品写真の撮影を行いました。例えば、「AeropureS」であれば台の上、「AeropureM」であれば床置きといった具合に、少ない情報で使い方やサイズ感が伝わるように工夫したデザインに。また、パーソナルな空間での利用をコンセプトとする「AeropureP」は、コンシューマー向けの商品なので、高級感のある配色や出張シーンなどの写真を採用しました。中面では、空間除菌消臭装置がもつ清浄なイメージをビジュアルに落としこんでいます。とくに「AeropureS」と「AeropureM」は、鮮やかな青色が出るように色校正を念入りに進めました。深紫外線LEDと光触媒の融合技術を図解で表現したのも、クライアントからのリクエストです。これにより直感的な理解が促され、家電に詳しくないコンシューマーにも効果や機能が伝わります。