パンフレット 会社案内制作実績
(業種|製造業)
有限会社スペクトルデザイン
検査機器メーカーのシンプルなデザインの会社案内パンフレット
何を扱い、何を得意としているのか?
自分たちを「知る」ことの意義
非破壊検査のソリューションを提供するスペクトルデザインの会社案内パンフレットを制作しました。同社ではテラヘルツ波という国内でも取り扱いの少ない特殊な光を用い、各産業や教育・文化機関、医療など幅広い分野に活用される非破壊検査技術を研究・開発・提供しています。コンサルティングや検査の実施・分析だけではなく、対象に適した検査機器の開発など一気通貫でサービスを提供できることが同社の強み。リニューアルとなる今回は、その強みを研ぎ澄まし、企業ブランドとしての目指す姿(ブランドビジョン)を策定するアプローチから制作を進めていきました。パンフレットを活用し、他社に無い技術力の認知度向上を図るためにも、まずは「自分たちが目指すべきものは何か」を整理し、会社の個性をあきらかにすることが重要です。業界優位性や特長、社員の方々の醸す雰囲気や経営の考え方などを総括し、クライアントと対話をしながらスペクトルデザインのあるべき姿を言葉とデザインに落とし込んでいきました。その結果、社員の方々からも仕事への情熱や愛情がさらに深まる手ごたえを生み出すことができたと思います。会社案内制作のプロセスは、ブランディングの基礎となるもの。そんな会社の内側から試金石となる“何か”を見いだすブランド体験を提供できた案件です。
ビジュアルパーソナリティの
設定から生まれる
言葉以上に雄弁なデザイン
「光」がこの会社の主役。デザイン設計にあたっては、ビジュアルパーソナリティを設定して手がかりとなる要素を探りだすマッピング手法を取り入れました。クライアントの世界観をデザインのトーン&マナーに落とし込む論理的なアプローチです。ブランドビジョンをもとに書体や色の設定を明確にして、会社を伝える表現にふさわしい方向性を導いていきました。キービジュアルには繊細な細いラインで光の筋道を表現したデザインを採用。光の持つ特性の不思議さが紙面からも感じ取れることを想定し、光と物質の干渉によって生じるモアレ現象もデザインの一部として提案しています。大きくレイアウトした写真は、工程や技術の解説よりもプロダクトとしての美しさを見せる表現を優先しました。また、全頁を通してK100%の黒色を一切使わず、冊子全体に光がまわっていることを表現することで「光」を感じさせる見せ方に拘りました。社名に込められている「光の工房」という温かみのある社風を訴求するため、機器の写真に人の手を映り込ませて人の気配を演出したり、全体的にやわらかい印象の色合いを採用したりして、最新技術のテクニカルな要素と相対する、扱う人々のホスピタリティあふれる人柄が伝わることを意識しています。