国内外向けのパンフレットで事業展開を加速させる

医療サービスに欠かすことのできない医療機器。しかし、国内では役目を終えた医療機器の多くが廃棄されている現状があります。そんな廃棄される医療機器を買取り、発展途上国の医療機関を中心に販売しているのがクオンヘルスケアです。2019年設立の新規参入企業で、スマホで撮った医療機器の写真を送信するだけで買取り依頼ができる「らくらく買取」は業界初のサービスです。事業を加速させるためには、中古医療機器を提供してくれる医療機関とのネットワークづくりが不可欠。この会社案内は医療機関からの買取り依頼を増やす目的で依頼を受けました。同社社長へのヒアリングによると、医療機関からの買取りニーズの背景には発展途上国への貢献意欲があるとのこと。それをふまえて発展途上国の医療体制を連想させるクリエイティブを盛りこむことを提案しました。サービスの効果や利便性だけを訴求するのではなく、情緒的な価値を訴えかける内容に方向性を見出しました。

青くレタッチした写真や箔押しが美しいキービジュアルなど、パンフレットは全体を通してクリーンな雰囲気を演出しています。パンフレット制作において最初の見開きは冊子の方向性を決める重要な要素であり、読み手の心をつかむ“フック”でもあります。このパンフレットでは冒頭にコーポレートメッセージを配置しました。キャッチコピーは「役目を終えた医療機器は また、命を救う旅に出る。」とし、同社が中古医療機器の買取り・販売にかける思いをしたためています。続いての見開きは事業概要にあたる内容です。買取りから販売までの流れはフロー図を使い、国内医療機関・クオンヘルスケア・国外医療機関の関係性を明確に。事業領域の紹介にはアイコン風のビジュアルを取り入れました。次のページではより情報を掘り下げて、買取り対象となる医療機器をカテゴライズ。最後のページは途上国の医療現場の写真を断ち落としで。添えられた「その思いは、海の向こうにも届く。」という一文は、冒頭のキャッチコピーを受けたものです。いわゆる、物語の「伏線回収」のような効果を狙いました。