制作実績

カタログ制作実績

株式会社ジュリア

ネイルブランドの新規参入ブランディングを担うパンフレットデザイン

品質の高さという機能的価値を
情緒的価値に変換する
ブランディングデザインの戦略

株式会社ジュリアが新たにリリースしたジェルネイルブランド、「Sofirah(ソフィラ)」のV.I.を確立させるブランドパンフレットを制作しました。ソフィラは立ち上げ当初から、中国・アジア地域を中心とした海外市場への展開が予定されていました。新ブランドに対する国内外のターゲットの共感を引き出し、その世界観に価値を感じて選び取ってもらうことをゴールに据え、現代的で洗練された「日本らしさ」を意識してデザイン・制作しました。特に国内市場には、すでに多数のジェルネイルブランドが存在し、機能的価値の訴求だけでは差別化が困難。そこで、「徹底した品質管理」という機能的価値を、日本発ブランドの「つくりの良さ」という情緒的価値に変換し、日本ならではの美意識を表す概念のひとつ「ていねい」をキーワードに、「Made with TEINEI」(ていねいな人のために、ていねいにつくりました。)というコンセプトを打ち出しました。さらに、「徹底した品質管理」のエビデンスを伝えるため、実際に製造現場に趣いて原材料や製造工程、製造を担うスタッフなどを取材。ブランドの「安心・安全」を裏付け、ユーザーに対する誠意を伝えるコンテンツとしてまとめました。

「日本のていねいな仕事」を
和の要素を用いて
ブランドのキービジュアルに

表紙には、ソフィラのイメージモチーフである「七宝柄」を同色のエンボス加工であしらい、つつましやかで上品な日本らしい「美」を表現しています。洗練された感性を持ち、ワンランク上の技術を提供したいと考えているネイリストに響くデザインを目指し、キービジュアルには「茶道具」を採用しました。日本の職人や文化人のていねいな仕事ぶりを象徴する茶道具。これを通じて、素材選び、製造プロセス、それらを担う技術者という、ソフィラのジェルネイルをつくり上げるすべてが「ていねい」であることを表現しました。器の中の粉末はあえて抹茶に直結する緑色ではなく、ジェルの鮮やかな発色を想起させるブルーやパープル、イエロー、オレンジを用いることで、視覚的な引っ掛かりをつくりました。多くのジェルネイルブランドがビジュアルに取り入れる「外国人モデル」や「ネイルを施した指先」を使用せず、あえて「人の気配」を感じさせないことで、商品そのものの品質の高さに注目させる狙いもありました。さらに、9つのカテゴリーで構成されるカラージェルには、色合いや質感からイメージを膨らませて漢字一文字で表したカテゴリー名を新たに設定しました。ジェルの色味が醸しだす雰囲気を言葉で表現することで、日本らしい「美」や、ブランドの世界観をより深めることができました。