コンタクトレンズ業界の魅力と現場の雰囲気をとらえた採用案内

株式会社SEEDは、半世紀以上にわたってソフトコンタクトレンズの研究・開発に取り組んできたメーカー。コンタクトレンズ事業だけではなく、コンタクトレンズケア事業、メガネ事業など様々な事業を展開しています。近年は、海外展開にも積極的です。変革期を支える人材を募るべく、作成したのがこの採用案内パンフレット。理系学生をおもなターゲットに定め、生産技術部門を中心に営業や海外営業で活躍する人材を募集しています。制作にあたっては「学生が自分たちにとってふさわしい職場だと感じてくれる内容にしたい」という、クライアントの強い思いを反映しました。ヒアリングは数日間にわたり、開発部門、管理部門、営業部門などのリーダーやキーマン、さらには社長に至るまで約20名から意見を集めました。結果、SEED最大の強みは「あらゆる人の『見える』を支える設備・体制・心構えが整っている」ことであると判断。さらにターゲットを絞り込み「自分の能力を誰かのために還元したい人」と設定しました。実際に現場の声に耳を傾けてみると、経歴や年齢に左右されずに誰でも“打席”に立てる社風であり、新しいことに次々と挑戦できる土壌が育まれていることがわかりました。企業としての優位性と、次代を見すえた職場環境。このふたつの要素を柱にして打ち出されたのが「この先の『見える』をひらく」のデザインコンセプトです。

コンタクトレンズは医療器機のため、表紙はクリーンなイメージを想起させる白ベースに。紙の選定にも労力を惜しみません。実物を入手して発色や手触りなどを確認し、クライアントへ提案を繰り返しました。選ばれたのは、白色の発色がよく写真の印刷再現性に優れている「ミセスB」。耐磨ニスを施すことで、色移りを防いでいます。デザインコンセプトを表現するべく、表紙の中央には穴あけ加工を施しました。この穴は、気になってページをめくりたくなる“仕掛け”にもなっています。コンタクトレンズは生活に身近な製品ではありますが、その製造現場はなかなか想像しにくいもの。そこで、製品が消費者の手に渡るまでのプロセスをイラストで紹介しました。研究開発→生産技術→品質管理→営業という流れからは、各部署が綿密な連携をとって市場を支えていることがわかります。パンフレットの肝になるのが社員たちへのインタビューです。写真は、読んだ学生が入社後をイメージできるようリアリティを追求したものになっており、現場に赴いたフォトグラファーには「その場に強い意志をもって立っている」佇まいを活写するようオーダーしています。新製品開発に携わった技術メンバーの座談会は、開発時の苦労や喜び、仕事への想いが語られる熱のこもった展開に。現場にあふれるワクワク感を上手くすくいとれたと感じています。