「安定企業」の先入観を払拭する、向上心のある若者に刺さるデザイン

継続的な成長を目指す企業にとって、有能な人材を確保することは重視するべき経営課題のひとつと言えます。採用ツールの定番である採用案内パンフレットは、就活生と企業を結ぶ窓口のようなもの。パンフレットには自社の理念や業務内容、活動実績などが収められますが、なかには「自社の魅力を伝えきれているのだろうか？」と、いまいち自信がもてない人事担当者も少なくないでしょう。富士通パブリックソリューションズも同じような課題に頭を悩ませていました。同社は富士通のグループ会社で、ソフトウエアプロダクツの開発・販売やソフトウエアの受託開発事業などを手がけています。クライアントの７割は、内閣府、外務省、財務省といった官公庁が占めています。華々しい実績に反して、企業自体は世間から充分に認知されているとは言えず、当冊子の作成をご依頼いただいた際には「多くの就活生が手に取るデザインにして、上昇志向の就活生を集めたい」という要望が挙がりました。私たちは課題を洗い出すために、業界・競合を分析。結果、「富士通グループ」×「公共分野」＝「安定企業」という先入観が、上昇志向の強い就活生を遠ざけているのだと判断しました。しかし、同社は国内最大手グループの教育環境を備えていて、誰もが活躍の機会がある少人数体制の企業なのです。このメリットを全面に打ち出し「自分が急成長できる企業」をアピールすることがデザインのコンセプトになりました。

向上心をもち、活躍の場を求める新卒生にどう訴求するのか。やはり彼らの心をグッとつかむようなデザインが必要になります。アテンションを引くために、キーカラーの赤を全面に打ち出し、ダイナミックなレイアウトを採用。表紙いっぱいに配した「あなたの急成長が始まる」のキャッチコピーは、合同説明会でもきっと注目を集めることでしょう。レイアウトに角度をつけて斜めにしているのは、右肩上がりの「成長」をイメージしたもの。すべてのページで同様のあしらいを取り入れています。１見開き目は「富士通グループの教育制度」と「富士通パブリックソリューションズの成長環境」のそれぞれの魅力をインフォグラフィックで可視化しました。研修の種類やチーム体制、クライアント別売上比率などの数値が一覧させることで、国内最大手グループの技術と知識が獲得できるのだと訴求することができます。また、理系の就活生がとくに親近感をもてるよう、ロジカルで整然とした印象を与える紙面を心がけています。冊子の仕上がりを見たクライアントにも満足していただけました。