大学のことをしっかり理解してくれたからこそできあがった学校案内

埼玉医科大学は、埼玉県入間郡に本部を置く私立大学です。「すぐれた臨床医」の育成に力を入れ、国内最大規模を誇る大学病院群との連携によって実現する豊富な病院実習・臨床入門実習を受けられるのが特徴です。毎年発行する学校案内を制作するにあたり、これまでは既存の業者にお願いしていたのですが、違うところにもお願いしてみたいと思っていました。

ただ、新しいところと一から制作するというのは私たちにとっては冒険です。なので、慎重にいくつか良さそうなところをピックアップし、コンペにお声がけさせていただきました。そのうちのひとつがアートアンドサイエンスです。制作物の内容についてヒアリングをしていただいた上で、デザイン提案をしていただきました。まずびっくりしたのは、色鮮やかなマゼンタ色の封筒に入ってデザイン案が届いたことです。さすがデザインをやっている会社、細部に至るまで気を使っているんだなと驚きました。あとでマゼンタがアートアンドサイエンスのコーポレートカラーだとお伺いして、なるほどと思いました。

コンペでの投票の結果、アートアンドサイエンスさんにお願いしました。決定のポイントは、表紙提案の良さでした。学校案内というとだいたい表紙には校舎の重厚な雰囲気か、教員と生徒の写真が使われることが多いのですが、アートアンドサイエンスさんの提案はイラストだったんです。それも、埼玉医科大学の特徴にもなっている坂道と、学生のあしもとをクローズアップしたものです。

なかのページは写真をふんだんに使い、100ページに近い構成案で、これも今までわが校で制作していた学校案内とは違ったものができあがりそうだと確信しました。ただ、新規で写真を撮り下ろす部分が多いため、撮影にはかなりの日数を費やす必要がありました。その際に、アートアンドサイエンスのクルーのみなさんは埼玉医科大学の施設内にある施設に宿泊されて、厳しい撮影スケジュールをこなしてくれました。過密日程での取材や撮影でしたが、臨機応変に対応していただけてありがたかったです。

今回制作した学校案内ですが、病院長にも「今までにないパターン」だと褒めていただきました。入試に関係する教員からも雑誌風でおもしろいと言っていただいているほか、学校説明会などでも大変好評です。私どもも今までと違う、ちょっと変わったものを作りたいという思いがありましたので、できあがった達成感が今までのなかで一番ありました。レスポンスが良く、相談にも乗っていただき、入稿のギリギリまで修正の対応をしていただけたのが本当にありがたかったです。表紙のイラストにはじまり、中身もコンセプトがしっかり貫かれている構成になっているのでとても意味のある学校案内が仕上がったと思います。とてもいろいろな人の目に留まる、すばらしいものを制作していただきありがとうございました。