書籍『まちモジ 日本の看板文字はなぜ丸ゴシックが多いのか?』
『フォントのふしぎ』の第二弾は、世界の街角の文字『まちモジ』。タイプディレクター/書体デザイナーの小林章さんが世界の街角で撮影した標識や看板の文字について語ります。(「BOOK」データベースより)
もうこれは待望のと言っていい続編ではないでしょうか。唐突ですが私は「世界ふれあい街歩き」というNHKの番組が大好きです。街を歩く本人の目線でブラブラと気ままに巡りながら、なにやら気になったものや偶然話しかけてきた人とまさに「ふれあって」過ごす、あの物珍しくも穏やかで心地良い時間、あの感じに凄く似ていると思います、本シリーズは。そして、今回の目玉は何と言っても「日本の公共的な看板にはなぜ丸ゴシックが多いのか」というテーマでしょう。これはさきほどの、外国の街をブラブラ周遊という趣とは異なるのですが、いくつか推測される理由のなかに意外なものがあり、他にも勝り興味をそそります。
前回の第一弾「フォントのふしぎ」が持っていた、予定のない周遊をしながら、その国や街の普段は眼につかない魅力を見つけていくという、まるで旅行でもしているような贅沢な時間を感じる心地良さはそのままに、よりニッチなフォント/表記に関する知識も得られて、今回も期待を裏切らない内容です。またデザインは、前回に引き続きcozfish(祖父江慎、鯉沼惠一)。「世界ふれあい街歩き」のナレーター同様、このシリーズになくてはならない存在ですね。狙ってこういうちょっとヌケたデザインが出来るというのは本当に凄いなと思います。なんだか子供の頃に、図版がいっぱいの教科書を初めて手にした時のような妙な愛着を感じるエディトリアルデザインなんですよね。
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