記事

書籍『デザインノート EXTRA good design company 水野学』

いまやすっかり「くまモン」の生みの親として誰もが知る存在となった水野学さんの特集号。これまでのお仕事がクライアントワークはもちろん、プライベートワークに近いものまで多数掲載されています。そもそも、弊社のように、小さなプロダクションがクライアントと直接やりとりを重ねながら、ブランディングからプロモーションまで手掛けるということが可能になったのは、佐藤可士和さんや水野学さんたちが注目すべきお仕事をされることで、コンサルティングとクリエイティブが一体になった制作会社の存在の認知度が高まったからではないかと思います。中小企業やマス広告を必要としないプロモーションにおいて、企業が直接デザイン会社にコンタクトをとり、コンサルティングまで期待して仕事を依頼する、というプロセスが一般的になったのは、本書の水野学さんの貢献が大きいのではないでしょうか。
本書は画像や図版も豊富で、水野さんの仕事を見渡すには最適な構成になっています。ヘタすると、ご本人の著書よりもこちらの特集の方が、各仕事のプロセスやアプローチが分かりやすいかも(もちろん、著作の方はデザイナーや広告に関係する人々よりも幅広い読者を想定されていると思われるので、目的によって評価は分かれるでしょう)。クライアントとプロジェクトについて検討を重ねながらデザインを制作する、という一見当たり前に思えて、高度な知性と感性を必要とするアートディレクションの難しさを知るクリエイター達の方が、この作品集のレベルの高さを実感できるでしょう。なお、水野学さんは、同じく時代を代表するアートディレクター佐野研二郎さんと大学の同期。佐野さんの作品集「佐野研二郎のWORKSHOP」では、まだ若いお二人が対談されていてこちらも興味深いです。

Amazon:『ザインノート EXTRA good design company 水野学』

出典・参照
出版社: 誠文堂新光社 (2013/11/18)
ISBN-10: 4416113714
ISBN-13: 978-4416113714
発売日: 2013/11/18
記事更新日
2014年02月20日
カテゴリー
デザイン
広告