書籍『たのしい写真3 ワークショップ篇 』
「「いい写真」と「わるい写真」の違いって、どこにあるんだろう? 「撮る」だけでなく、「見る」「読む」など、さまざまな視点から写真の本質を考えて体験する。待望のホンマ式ワークショップ!」。本のタイトルにもある「ワークショップ」という言葉、これはタイトルのための比喩ではなく、実際に著者のホンマタカシさんが行ったワークショップを振り返りつつ「写真」について考えることがそのまま本書の内容となっています。特に興味深かったのは、第1章「写真家はこれまでどんなワークショップを開いてきたか?」で紹介されている、ダイアン・アーバスや東松照明ら「写真家が過去に行ってきたワークショップ」についての考察。写真家の奈良原一高が参加していたダイアン・アーバスのワークショップの細かなエピソードなどもとても面白いです。そして、ホンマタカシさんが提出した課題を追いつつ、ブレッソン風、エグルストン風に写真を撮ってみるというのはどういうことか?を考えるワークショップのレポートなど、まさに「たのしい写真」を体験出来る内容となっています。
また、本シリーズは毎回「写真の教科書シリーズ」と銘打たれていますが、これも比喩ではありません。寡黙な印象もあるホンマタカシさんからは意外とも思えるほどとても教育的な内容となっており、写真に興味を持ち始めた初学者、「写真の見方の見方」を知りたい写真ファンにとって、格好の入門書ではないでしょうか。知っているべき数多くの巨匠もユニークなキャッチフレーズ付きで完結に説明紹介されています。
Amazon:『たのしい写真3 ワークショップ篇』